【中野】昭和の路地裏と再開発で変わる中野駅前 サブカルの街の現在

拠点市街地

中野は今、100年に一度ともいわれている規模の再開発が中野駅を中心に進行中で、街の景観が少しずつ変化してきています。

しかし、駅の周辺には中野ブロードウェイや新仲見世通りなど、戦前から残り続けている路地や横丁も健在で、若者から高齢者まで、たくさんの人たちで賑わっています。

この記事では、今なお昭和の面影を残す中野の商店街と路地をご紹介するとともに、再開発で変わる街の様子をお伝えします。

中野区の居住者の特徴

中野区の人口は、2021年現在で344,880人、世帯数は208,093世帯と東京都の区では新宿区に次いで13位です。

中野区の居住者は、一人暮らし世帯が62%、15歳から64歳の生産年齢人口が70%と、若い単身者が多いことが特徴です。

居住者は丸の内線に近いエリアと中野駅東側に集中していて、中野区の人口密度は豊島区に次いで全国2位の高さになっています。

中野駅

中野駅には中央線、総武線、東西線の3路線が乗り入れをしています。

JR中野駅は明治22年、東西線の中野駅は昭和41年にそれぞれ開業しました。

JR中野駅の乗車人数は1日151,000人で、中央線では、新宿、東京、立川に次いで、4番目に利用者が多い駅です。

起終点駅となっている東京メトロ東西線の中野駅は83,000人です。

中野駅の問題は、JRと東京メトロの乗り換えの難しさです。

駅構内が複雑な配線となっているため、時間帯や列車によって、発着ホームが異なる場合が多く、1本乗り遅れたら、違うホームに移動しなければならないことがあります。

中野の路地と商店街

中野駅北口駅前から中野ブロードウェイの間には、戦後の闇市から発展した繁華街が広がっていて、道幅2メートルほどの路地には飲食店がびっしりと連なっています。

中野サンモール

1958年に商店街として発足した中野サンモールは、中野で最も有名な商店街です。

中野駅北口から224m続いているアーケードには、チェーン店や個人商店など110店舗のお店が軒を連ねています。

北口一番街

中野サンモールの東側にある北口一番街周辺は戦災を免れたため、戦前からの路地が今も保たれています。

北口一番街の道の両側にはアジアン系のレストラン、ラーメン店、ホルモン焼きなど様々な飲食店が並んでいますが、どのお店も小奇麗で、デートで利用しているカップルの姿も目立ちます。

新仲見世商店街

北口一番街をさらに北へ歩いていくと驚くような異空間、新仲見世商店街に出ます。

区画整理が行われていないクネクネした袋小路になったエリアには、スナックや純喫茶が建ち並び、昭和にタイムスリップした感覚が体験できます。

ワールド会館

1971年に竣工したワールド会館は、中野で異彩を放っていた商業施設。

昭和の建築物マニアにはたまらない建物だったのですが、2023年に閉鎖されてしまいました。

昭和新道

新仲見世商店街の東側を南北にのびる昭和新道。

スナックと居酒屋が軒を連ねている昭和新道は、中野の夜の繁華街です。

中野ブロードウェイ

1966年に開業した中野ブロードウェイ。

ブロードウェイは当初、住宅施設として建設された建物ですが、1987年に古本屋の「まんだらけ」がテナントとして入ったことで、若者カルチャーの発信地として人気を集めるようになりました。

中野ブロードウェイには、生鮮食品店など地元の方が普段使いできるお店のほか、腕時計の専門店街があることから、時計を目当てにたくさんの外国人もやってきています。

中野レンガ坂通り商店街

南口の中野通りから中央線に並行するように西へ延びている中野レンガ坂商店街は、ヨーロッパの雰囲気を醸し出す100mほどの小さな路地です。

かつてこの場所は、放置自転車が目立つさびれた商店街でしたが、2012年に発表された中野再開発計画を機に道路の景観を整備し、個性的な飲食店の誘致やイベントの開催など、商店街の改革を進め、今では中野で屈指の人気を誇る商店街になっています。

中野駅再開発

中野駅北口の再開発で整備された中野セントラルパークと、2023年現在開発が進行しているサンプラザシティーをご紹介します。

中野セントラルパーク

中野駅北口に2001年まであった警察学校の跡地に、公園やオフィスビル、大学などを整備してできた中野セントラルパーク。

約16.8ヘクタールの施工地区の整備は2012年にほぼ完了し、以降、中野を訪れる人が2万人も増加しました。

中野セントラルパーク ウエスト

1階と2階にはレストランなどの商業施設。

3階から21階はオフィスになっているセントラルパーク ウエスト。

中野駅の周辺には住宅街やタワーマンションがありませんでした。

そのため、中野区には賃貸料の安いアパートで暮らす独身者が多く、年間で3万人もが転出入をするという問題を抱えていました。

自治体では子育て世代を呼び込むためにオフィスビルを建設し、住居と職場が一体となった街づくりを行っています。

中野四季の森公園

セントラルパークの前に広がる四季の森公園は、災害時の避難場所としての役割を持つ防災公園です。

四季の森公園にはピクニックができる芝生広場や、水遊びができるせせらぎがあり、近隣住民の憩いの場所として、また、子どもたちの遊び場として利用されています。

大学

中野セントラルパークの西側には帝京平成大学、明治大学中野キャンパス、そして早稲田大学中野国際コミュニティプラザの3つのキャンパスがあり、平日は学生で賑わいます。

NAKANOサンプラザシティ

NAKANOサンプラザシティとは、中野駅新北口および西側南北通路の開設、駅ビルの建設、新北口広場の整備、そして中野サンプラザの建て替えなど、中野駅北口の都市活動拠点の形成に向けた再整備計画です。

中野のシンボルだった中野サンプラザは2024年に解体され、周辺にはオフィスと居住地が融合した、サンプラザシティーとして生まれ変わります。